防犯とリフォーム
防犯とリフォームについて
平成14年から侵入盗件数は減少傾向にあります。これも防犯対策など、個々の意識の高まりなどの効果でもあるのかもしれませんが、まだまだ侵入盗件数は多くあります。今後リフォームをお考えになる場合、どんな対策・意識で防犯対策がとれるかご確認下さい。
防犯の基本
まずは、防犯リフォームしても注意しなければいけない事があります。防犯対策の基本的姿勢を忘れないようにしましょう。
隠し鍵はしない
多くのどろぼうは下見をしていると言われています。鍵を隠すところ、取り出すところ、必ず誰かが見ています。つまり、家族の数だけ危険が増しているわけです。
「少しだけ」「うちだけは大丈夫」が一番禁物です。
どろぼうは対象を選ぶ条件として「人がいるか、いないか」を上げています。これを聞いて「少しだけだから」、「うちは盗られるものはないから大丈夫」なんて言っていませんか?
在、不在を問わず小窓も確実に締める、施錠の癖付け
「無施錠」、「開けっ放し」は、どろぼうが一番喜ぶ状態です。お風呂や便所のような小窓からもどろぼうは侵入します。家にいないときはもちろん、ゴミだし等のちょっとした間でも確実に施錠しましょう。慣れれば面倒とも思いません。家族みんなで守りましょう。
一戸建防犯対策
「家に近づきにくい、近づけても簡単に入れない」、と思わせるような環境整備をすることが重要です。
家周りポイント
「ここは入りにくそうだな、やめておこう」と断念させることが重要です。
塀・柵・生垣等
- 簡単に乗り越えることが出来ない高さと内側が見える立て柵またはフェンスを設置する。
- 生垣は定期的に剪定し、見通しを確保するとともに、管理していることを示す。
- 2階への足場になっていませんか?
門扉・門灯
- 見通しがよく、外から手であけられないような施錠設備のあるものを選ぶ。
- インターホンや郵便受け等は、門扉の外側に設置し、無用に敷地に入らせない。
- 録画機能のついたカメラ付インターホンや、手紙等の抜き取りを防止する機能のついた郵便受けもあります。
インターホン門扉側(カメラ付き)門扉側(カメラ付き)室内側(モニター付き) - 夜間は門灯を点灯する。(20W蛍光灯を1日10時間程度点灯した場合の1月の電気料金は120円程度です。)
裏口等
- 使用しない出入口は、閉鎖または確実に施錠する。
駐車スペース
- 施錠できる門扉を設置し、外出時も確実に施錠する。
- センサーライト等照明設備を設置する。
- 屋根が2階への足場にならないように注意する。
敷地内ポイント
仮に敷地内に入られたとしても建物に近づかせないことが重要です。
建物周囲
- 植木は定期的に剪定し、隠れたり、目隠しにならないように注意する。
- 敷地内は整理整頓を行い、バール、ドライバーなど侵入用具になるようなものは置かない。
裏手側
- 最も多い侵入口の一つが裏庭のはき出し窓なので、洗濯物などで目隠しをしないようにする。
裏庭への通路
- 裏庭への通路には見通しのよいフェンス等を設置し裏庭に入れない ようにする。
- センサーライトを設置し、光で威嚇する。
- 砂利をひくなどして、そこを通れば音がでるようにする。
物置・室外機等
- 窓の近くには、物置など2階への足場になるようなものは置かない。
建物開口部ドア・窓等ポイント
家周りや敷地内で諦めさせることが重要で、ここで侵入を食い止める。ここではドアや錠前、ガラスの強化など最も直接的な強化方法です。
はき出し窓・腰高窓
- 最も多い侵入箇所、確実な対策が必要です
- 最低限、補助ロックのついたクレセントか、鍵付のクレセントを取り付ける。(クレセントは錠ではありません。)
- CPマークのついた防犯ガラスに交換しましょう。また開閉、振動感知センサーやガラス破壊センサーを設置することも有効です。
風呂・トイレの小窓
- 小さな窓だからといって安心できません。サッシ一体型の面格子などが有効です。
玄関ドア
- 金切りバサミやドリル等で簡単に破壊できないドア、しっかりと固定された枠のドアを設置する。
- ガラス窓がついたドアは、内側に手が入らないよう格子を付けたり、防犯ガラスに交換することが必要です。
- ドアチェーン、ドアガード等はついていますか?
- 郵便受けやドアスコープがついている場合は、簡単に取り外されないような措置が必要です。
- 外開きドアでデッドボルト(かんぬき)が外から見える場合は、こじ破り等に対応する為に、ガードプレート等を設置する。
勝手口ドア
- 勝手口ドアも、しっかりしたドアと錠を設置しましょう。
錠前
- ピッキング、サムターン回し、カム送り解錠に対応することはもちろん破壊やこじ破りにも強い錠前を複数取り付ける。
マンション防犯対策
多くの人が生活する共同住宅等は、どろぼうも住人と同じ入口から侵入し ます。どろぼうが中に入る前に、侵入を防止するのが理想ですが、次のような対策をとって防犯環境を整備しましょう。また、共用部分については十分な明るさを確保しましょう。
専用部分ポイント
生活の場であり、最も平穏が要求される場所です。防犯性能の高い建物部品等を活用し、どろぼうの侵入を阻止する必要があります。
玄関ドア
- 簡単に破壊できない丈夫なドア、しっかりと固定された枠のドアを設置する。(ドア等の交換は分譲マンションであっても事前に管理組合との協議が必要です。)
- ドアチェーン、ドアガード等はついていますか?
- 郵便受けやドアスコープがついている場合は簡単に取り外したり、破壊されないような措置が必要です。
- 外開きドアでデッドボルト(かんぬき)が外から見える場合は、こじ破り等防止のために、ガードプレート等を設置する。
- 録画機能のついたカメラ付インターホンや、手紙等の抜き取りを防止する機能のついた郵便受けもある。
錠前
- ピッキング、サムターン回し、カム送り解錠に対応することはもちろん、破壊やこじ破りにも強い錠前を複数個取り付ける。
- 平成16年4月に公表された「防犯性能の高い建物部品目録」(CP認定錠)に登載された錠前は、上記の手口に加え、破壊にも極めて高い防犯性能を有している高性能錠前です。上の錠の他、多数の錠が認定されています。
廊下に面した窓
- 面格子は、工具などで簡単に取り外せず、破壊に強い素材・構造のものを設置する。
- 最低限、補助ロックのついたクレセントか、鍵付のクレセントを取り付ける。(クレセントは錠ではありません。)
ベランダ側の窓等
- 外からよく見えることが重要で、洗濯物等が目隠しにならないように注意する。
- 低層階、階段等から乗り移れる箇所、そして最上階は、廊下に面した窓に加え、忍び返しや防犯フィルムの貼り付け、防犯ガラスへの交換が効果的です。
- また補助錠や、振動感知センサーや破壊センサーを設置することも有効です。(写真は開閉感知センサー)
共用部分ポイント
「ここは入りにくそうだな、やめておこう」と断念させることが重要です。
正面出入口オートロック等
- 玄関には「関係者以外立ち入り禁止」の意思表示をし、外からの見通しを確保する。
- オートロックの過信は禁物です。オートロックがあることで、自宅ドアが無施錠にならないように注意する。
- 宅配便を装う、センサーを誤作動させる、居住者の後につく等、どろぼうは様々な侵入を試みます。
非常口・通用口
- 正面玄関等はオートロックであっても、非常口や通用口は開放されたままのところも多い。自動施錠できるドア等、施錠管理を徹底する。
メールコーナー
- 奥まったところや、死角に設置されていませんか?
- 管理人室やロビーから良く見えるよう配置したり、防犯カメラやミラーを設置し、良く見えるようにする。
掲示板
- 玄関出入口、エレベーターホール、駐車場等に設置し、防犯に関する情報を住民に提供すること、そして侵入者に対し「立ち入り禁止」の意思表示と防犯意識の高さを示すことも重要です。
エレベーター
- 中が外から見えるように前面をガラス張りにする。
- 内部には防犯カメラと非常通報装置を設置する。
- 内部モニターをエレベーターホールに設置する。
階段
- 内部が見えない階段は、通路に出るドアを常時開放しておく。
- 階段室の様子が分かるようにミラーを設置する。
駐輪場・駐車場
- 十分な明るさを確保し、防犯カメラやミラーを設置して死角をなくす。
- 駐車場から建物内に入るドアには、施錠設備を取り付け、ドア周囲の様子がわかるモニターを設置する。
マンション外周等
- 敷地内と外を区別する柵やフェンス等を設置する。
- 防犯灯を設置し、ムラのない明るさを確保する。
- 掃除等を定期的に行い、管理していることを示す。
- 共用スペースを住民活動の場として活用し、住民同士のつながりを強化する。
ごみ置き場
- 施錠設備、防犯カメラや火災感知器を設置する。
- ゴミだしの日を決め、整理整頓を心掛ける。
- 住居から見える位置に設置する。